企業価値を高めるチームウェア 本文へジャンプ
バリュースペース


■ 多様な価値観を醸成し、そしてうけ入れる
前世紀末のポーターの競争戦略論を学んでから、ずいぶん日がたちました。
この理論が役立ったか失敗の憂き目にあったかは、実践した人のみが知るところでありましょう。

競争戦略、イノベーションなど、何れも大きな言葉であり、いささか食傷気味であり、あまり多用したくないワード群です。繰り返しになりますが、何となく分かったような気分にさせられるところが実務家にとっての頭痛の種です。

本稿で「バリュースペース」とラベルしていますが、意味は「価値化の仕組み」です。
バリュースペースとは、顧客との関係、社員との関係、パートナーとの関係など、競争と協調、そして共存へむかう、あたらしい関係を構築する場です。

バリュースペースは、「ともに創り、ともに生きる」ための、企業の存在価値の追求の場です。
価値連鎖(バリューチェーン)から好結合(バリューネットワーク)へ、同じ意味で顧客・協力者パートナーからコミュニティ形成へ転換するための提唱です。

なぜなら、バリューチェーンは鎖と訳している人もいるほどで、がっしり組まれた構造だからです。分厚い契約で縛られた歴史(結果)の産物なのです。ケイレツの見直しは、つい最近の出来事ことでした。
バリューチェーンは、未来の価値創出に足枷になる危険があります。あくまでも契約は、有期(プロジェクト型)であるべきなのです。

変化の激しいマーケティングの世界では、なおのことでしょう。
バリューネットワーク(好結合)を構築し、全体思考でたえず最適のルートを選択できるようにするのが賢明です。価値の創出は過去ではなく、未来の歴史を想像することです。

現実の社会は相対的であり、変化しています。
「顧客満足などありえない」とする発言趣旨の意味は、顧客自身の欲求(またはニーズ)が変わってしまうからなのです。この世界では、プロダクトとマーケットのイン・アウトともに同時的です。

コンカレント・マーケティング、シンクロナイズ、リアルタイムなど、同時開発の意味でのカタカナ英語を目にします。この共通項は、スピーディに顧客価値を創出する、商品を完売する、地球資源の無駄づかいを回避することにあるといえます。

しかし実際には、リアルタイムというより、オンタイムで顧客は十分に納得します。欲しいときに間に合えば顧客はそれでいいのです。明日でなければ繋がらない電話会社が失速し、明日で十分な文具店が繁盛した事実が、このことを物語っています。

どのような新興ビジネスも、多用なフレームの持ち合わせと真の消費者ニーズの本質を掴んでいれば、起業時に直感的に事業化の可能性を判断ができるのです。筆者が支援したベンチャーも同じでした。

環境適応的な企業は、あたらしい価値を生みだします。価値化のための仕組みづくりが急がれます。
多様な価値観をかさね合わせて、魅力的な布地(知)を織る(製品・サービス)、そして、感動的な演出効果を醸し出して観客に正確に確実に伝える工夫をする。これが企業収益の源泉(商品)になります。



Copyright (C) 2006 ValueNetworks Co., Ltd All Rights Reserved.